2010年3月28日日曜日

かまど



世界には、いろいろなかまど(七輪)があります。「土のかまど」という、分厚い本も出ているくらいです。
持ち運べるものもありますが、中国や一昔前の日本のように、土でつくりつけた大きなものや、ガーナやバングラデシュのように、庭先に五徳状に土を盛り上げて固めたものもあります。
燃料の少ないヴェトナムでは稲わら専用のかまどがあったり、おがくず専用のかまどがあったり、その土地に合わせて、いろいろなかまどがつくられています。

右の二つはカンボジアのかまど、左のものは、一部ままごと道具でUPした、タイのかまどです。




タイのかまどの内、これらは伝統的な形です。前から薪を入れて使うのに便利な形になっています。




こちらは、薪ではなく、炭を使うのに便利なかまどです。比較的新しいものなのか、それとも薪用、炭用が併用されてきたのか、詳しいことはわかりません。




そして、かまどに乗せるお鍋。タイには、「飯鍋、汁鍋」という言葉がありますが、これは汁鍋で、一番大きいものは、実際にレストランなどで今も使われています。




カンボジアのかまどは、以前ままごと道具でUPした、改良かまどと、左は従来型のかまどです。




こちらは、改良型のかまどをつくっている工房の写真です。
説明してくれているのはおばあちゃん。カンボジアのおばあちゃんたちは、だんなさんや家族の誰かが亡くなると、すぐに在家のままで半出家し、髪を剃って、白と黒の衣装しか身にまとわなくなります。
こんなおばあちゃんたちが、お寺の縁日などで10人も集まり、おまけにみんな歯がなくなったりしていると、異様なので何とかして欲しいのですが、文化なのでしかたありません。
それに比べると、いつまでも長い髪を美しく結いあげて、毎朝華やかな生花を髷にさす、ビルマのおばあちゃんたちの方がずっと素敵なのですが、坊主頭の方が髪を洗うのが簡単で、水の乏しいところでは、むしろ衛生的かもしれません。




これが在来型のかまどで、ほとんどの家でこれを使っています。手前のものは、焼き物の輪が乗せてあり、その上にお鍋を乗せます。薪は、毎日使うので、いつも不足気味、ここでも貧弱なものを使っています。




こちら、お寺の縁日でフライドチキンを売っているおばちゃんのかまどです。七輪の左手に見えるのは薪でしょうか?炭ではなく、七輪でも薪を使っているようです。




焼き物のかまどやお鍋は、カンボジアでは産地の人が大八車に積んで売りに来ます。これはもう、荷物の背があまり高くないので、すでに3分の1、あるいは半分は売ってしまったようです。広告塔もかねて、商品を両脇に見せていますが、中には藁を詰めて、商品をぎっしり積んでいます。かまども見えています。




焼き物屋さんは、大八車を牛に引かせて、商品を売りつくしたら、牛も大八車も全部売って、手ぶらで故郷に帰って行ったそうですが、今どきの焼き物屋さんの中には、オートバイで行商している人もいます。オートバイと大八車は売り払わず、大八車には、村で売れるようなものを乗せて帰っていくのでしょうか?
七輪型のかまどと、在来型のかまどは、大小二種類見えています。

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