2010年7月23日金曜日

堤人形の猫



こちらに来てからのことですから、6、7年前でしょうか。夫が仙台に用事があったので、ついて行きました。夫と別れて、私は市の郊外にある、堤人形の窯元へと向かいました。
制作者の芳賀さんは、細かい作業をしていらっしゃいましたが、快く見学させてくださいました。そのときは、お雛さまの絵付けをなさっていて、着物の模様を、下絵も描かず、すいすいと描いていらっしゃいました。

目当ての招き猫はなかったのですが、猫の香合がありました。猫が蓋になっていて、平らなお皿の上でお香を焚くと、猫の背中の穴だけではなく、耳、目、口などからも香りがもれてくるようにつくってあります。
ひげなどの線の細さ!しかも、曲がったり、太くなったり、かすれたりせずに、みごとな一直線です。




色といい、形といい、なんという可愛らしさ。
芳賀さんの家の香合は、香の煙で煤けていましたが、私には、これで香を焚くことはできません。ただ、愛でています。




しばらくして、注文していた招き猫が送られてきました。
これまたユニークな、猫と言うより、狐のような猫さんです。




当たり矢のついた背中。どうしてこんなまん丸が、しかも同じ太さの線で描けるのでしょう!これだって、絶対下絵はなかったに違いありません。




目の下の隈取り、鼻、ひげのどれをみても、すごいの一言に尽きます。
しかも、芳賀さんは年配の方(失礼)です。どうして手が震えないか、信じられないくらいです。

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