2010年10月1日金曜日

タイの鎌



以前、カンボジアの鎌エチオピアの鎌バングラデシュの鎌穂刈りの鎌などをUPしましたが、馴染み深いタイの鎌については、
「タイには、歴史的に鍛冶屋が発達してこなかった」
などという話ばかりで、UPするのを、すっかり忘れていました。

まるで三日月のように湾曲しているのが、タイの鎌の特徴です。
これは、どこの雑貨屋でも金物屋でも売っている、もっともありふれた鎌で、タイ全土、およびカンボジアの西部などで使われています。おそらく、タイの工場でつくっていて、ラオスなどでも使われているのでしょう。
持ち手まで、刃と一体の金物でできています。これに柄を継ぎ足すこともできますが、だいたいそのままで使っているようです。

稲は、株を10センチから30センチ残して刈り取ります。
   


誰かにいただいた古い鎌です。やはり湾曲していますが、現在のものより緩やかな弧を描いています。



チェンマイの骨董屋さんで見つけた古い鎌、刃も柄も、形がとても美しいものです。



こちらは、ちょっと小ぶりですから、穂刈り用の鎌でしょうか?
タイ北部には、山岳地帯にたくさんの民族が住んでいて、水稲ではなく、陸稲をつくっています。陸稲は、そのままでも運搬できるからでしょうか、たいてい穂刈りにされます。



最後は、稲刈り用ではなくて、芥子の収穫に使う鎌です。これも、山岳民族の使っていたものです。
芥子は、花のあとに芥子坊主ができます。それに傷をつけておいて液を集めて、アヘンにするのですが、その液を、この幅広の鎌に乗せて、練るのだと聞いたことがあります。
形は、とてもユーモラスですが。




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