2010年10月14日木曜日

壁ははつっています



我が家の室内の壁を見て、「この御影石、どうやって積んだのですか?」と、不思議そうにたずねる人が、時々います。
「石じゃなくて、コンクリートの壁です」と言うと、もっといぶかしげな顔をされてしまいます。どうも、石に見えるらしいのです。




我が家の北側は、一階部分に一部コンクリート壁が見えています。しかし、その他の方向から見ると、コンクリートは見えません。木造の中に、コンクリートの箱が二つ、すっぽりと入っているのです。



建設途中の写真です。手前がお手洗いとお風呂の箱、そして向こうが食品庫と台所の箱になっていて、箱と箱の真ん中は階段室になっています。
水周りはコンクリートにしたかったという理由のほかに、素人が初めて建てる家ですから、コンクリートに寄りかかって耐震性を高めたかった、という理由もありました。




コンクリートの質感は冷たいからと、室内になる部分を、夫がハンマードリルや、電動のたがねではつりました。左がはつった部分です。

ハンマードリルは器具が重たい上に、どっどっどっと手に振動がくる重労働で、夫はずいぶん肩を痛くしました。私は腕力も握力も弱くて、けっきょく全然手伝えませんでした。
柱材や梁材を、材木屋さんが自然乾燥させてくださっていた時期ですから、時間が十分あったのですが、なんだかんだで、はつり終えるまでに一年近くかかってしまいました。
特に角のところが欠けやすくて、神経を使ったようでした。




その努力の、結果は上々でした。
食卓から北側を見たところですが、柱も梁もはつっているので、つるつる光っていない分、木との相性が悪くありません。




食卓から南側、土間入り口の方を見ています。コンクリート壁に、丸く引っ込んで見えるのは、型枠を固定していた、ピーコンの穴跡です。




階段室の壁です。
壁に埋めた電球の光が、でこぼこの壁を、にぶく照らします。




コンクリートの中に、あらかじめ電気配線をすることを想定して、電線を通す管を埋め込んでおいたり、コンクリートに直接ソケットを埋め込んで、電気がつくようにしたのも、全部夫の仕事でした。
私には、そんな気の遠くなりそうな仕事は、とてもできませんが。


2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

春さんのお家はコンクリートと木でできていたのですね。木造だとばかり思っていたら、サビサビの鉄筋の話で「あれっ?」っと思ったところでした。コンクリートも叩くと光で表情が出て素敵なんですね~。
今、日テレの「鉄腕DASH」というTOKIOの番組で石橋作りをやっていて、まさに「ビシャン叩き」が出てきます。テレビ的にどうなの?という地味な作業で、制作の人たちはどう思っているのかな~と心配になるぐらいです。カフェの方は一日あの作業するなんてスゴイです。

さんのコメント...

hiyocoさん
しんごさんは「家づくりに参加できてよかった」と言っていましたが、設計者としては職人さんにはビシャン叩きは高くつくので頼めない、でも施主さんがやってくれたら嬉しいなぁという気分だったと思います。
まあ、設計者としても施主としても、冒険的な、意欲的な建物で、既存の古い蔵とどう関連させていくがが課題だと夫は言っています。
彼らはまだ若いから(笑)、いろいろな経験をしたらいいと思います。年寄りはできないってわけじゃないけれど(笑)。