2010年10月15日金曜日

魚のおもちゃ



郷土玩具に登場する魚といえば、なんといっても鯛です。




鹿児島県姶良市の、帖佐人形の鯛乗り恵比寿さまです。
帖佐人形は戦後、長い間途絶えていました。1973年に復活したそうですが、これは戦前のものです。

恵比寿さまには鯛がつきものなので、この組み合わせの人形は、全国的にたくさんあります。




大きな鯛を抱えた童子は、福岡県の津屋崎人形です。
津屋崎は博多の近くですが、博多人形が、中間色でふんわりとしているのに対して、津屋崎人形はどぎつく、存在感があります。

津屋崎人形は、私の大好きな土人形の一つです。




鯛を持っている、鯛持ち招き猫がありましたが、鯛を持った犬もいます。
香川県の、高松張子です。




鯛乗り童子は、秋田県の八橋人形です。




鴻巣の鯛車は練り物でできていましたが、鹿児島県の、鹿児島神宮の鯛車は木でできています。
鹿児島神宮には、他にも、香箱、初太鼓など、おしゃれな授けものがたくさんありましたが、今でもあるのでしょうか?




鯛の土笛です。これも、津屋崎人形でしょう。




鯛以外の魚の玩具に、栃木県巴波の鯰があります。
栃木県には、ほかに黄鮒という張子もあります。海のない県ですから、鯛の玩具をつくることができなくて、鯰や鮒の玩具をつくったのでしょう。
なんて言ったら、栃木県の人に、叱られそうです。

黄鮒は、まだ二つばかり手元にあったと思っていたのに、見つかりませんでした。




ふく笛(ふぐ笛)は、昭和の初めに創作された、山口県下関の、新しい郷土玩具です。新しいけれど、シンプルで可愛いいので、人気があるようです。

先日、大相撲秋場所の土俵入りを見ていましたら、山口県出身の力士の豊真将が、ふく笛の化粧回しをつけていました。
ふく笛を、両端がはみ出すほど大きくあしらって、笛の上部が緋色、下部が海の色で、なかなかよくできていました。とくに緋色がきれいで、浅黒い豊真将によく似合っていました。
ネットで写真を見つけたのですが、残念ながらまったく違う色に写っていました。




ふく笛によく似ていますが、こちらは下関のふくの土鈴です。


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