2010年12月13日月曜日

張子の虎





「張子の虎」は、「見かけだけは強そうだけれど、本当は弱い」人とか、「虚勢を張っている」人とか、悪い意味に使われることの多い言葉です。
その割には、見かけません。目にすることがあるとしたら、干支の年くらいでしょうか。

もともと、張子の虎は、日本各地でつくられていました。
私が育った倉敷では、男の子の初節句に、近所の人たちが、猫より大きいほどの、張子の虎を贈る風習がありました。
兜などとともに、お節句には飾りますが、一年のうちのほとんどは、押入れの奥や、長持ちにしまったままなので、張子の材料の一つであるふのりがねずみにかじられたり、差込み式のしっぽが見えなくなったりと、まあ、あまり長持ちはしなかったものと思われます。




張子の虎の顔は、つくられた地方によっても、つくった人によっても、千差万別です。
怖そうな虎もいれば、まぬけな虎、可愛い虎もいます。




沖縄の張子は、虎に限らず、紅型を思わせるような、素敵な模様が描かれています。




福島県三春の虎は、私のもっとも好きな虎ですが、家を空けていたり、引越ししたり、地下室にしまっておいたりしたあいだに、こんな無残な顔になってしまいました。




これは懐かしい!
郷土玩具を集めていた友人と初めて旅をしたとき、初めて買った張子です。確か、50円でした。
東北地方のどこかでしたが、よく覚えていません。

トラ年も、あと残すところわずかとなりました。

追伸:金沢張り子でした。



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