2011年5月16日月曜日

牛の土人形





日本の牛の玩具には、土鈴がとっても多いようです。というのも、各地の神社に、神の使いとしての牛や馬がいて、それを模して授けものにしたという、歴史的背景があるからです。

牛は土鈴(授与鈴)に、馬は絵馬にしたのでしょうか。
この牛たちは、右手前のものを除いて、みんな土鈴です。

ほかによくあるのは、背中に天神さまが乗っている、牛乗り天神です。




土鈴の中で、一番古くから持っているのは、京都嵯峨野の牛です。
嵯峨野で、うぐいす、ふくらすずめなど、小さくて美しい土人形をつくっていたお家、いまでもあるのでしょうか?
丸っこく、すべすべと丁寧につくってあります。




俵牛は、一般的なモチーフで、各地にありますが、これはどこの牛だったか思い出せません。滋賀県の小畑に似た形の牛がいますが、小畑人形にしては、色が地味で、描き方が丁寧すぎるような気がします。

とても、いい顔の牛です。




これも、どこの牛だったか、鼻、角、足が水色なのが、とてもおしゃれです。




佐賀県の、のごみ人形です。のごみ(能古見)人形は、戦後につくりはじめられた新しい人形で、郷土玩具というより、干支人形と言った方がいいでしょうか。
郷土玩具好きとしては、のごみ人形のデザインの新しさや、説明的な色づけがあまり好きではありませんが、十二支の中では、牛が一番すっきりしていて好きです。

たぶん父が買ったものだと思いますが、母が身辺整理をしたときに、我が家に来ました。




友人Sさんの、亡くなった母上が集めていらっしゃった土鈴のなかから、いただいたものです。
母上は、お土産物ではなく、神社の授けものの土鈴(授与鈴)しか持っていないというのを、自慢にしていらっしゃったというお話です。

大阪の誉田八幡宮の、大きくてりっぱな牛です。




これも、Sさんの母上の形見です。どこのものかは、わかりません。
たくさんの土鈴の中から、好きなのを選んでいただいてきたので、どちらもとても気に入っています。



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