2013年1月3日木曜日

米つき車



学生時代から持っていた、和歌山の米搗き車です。和歌山では「米かち車」と呼ばれていました。
走らせると、カムが回って、板がかわるがわる上がって、かたかたと音がします。

その昔、こんな米搗き車が各家をまわって籾摺りをしていたそうです。ずっと前に失われた暮しの道具が、おもちゃに残っていて、垣間見ることができるのは、おもしろいことです。
この和歌山のおもちゃ、米かち車江戸時代中期からつくられていました。大正時代に一時廃絶しましたが、戦後復活した、長い長い歴史ある玩具です。

何かの木端を利用してつくったのだと思われますが、木を薄い板にする、それだけでも大変だったことでしょう。


益子の古道具屋「内町工場」のレジカウンターに、車が取れた状態で、私が持っているのよりちょっと小さめの米つき車がありました。
そのまま修理もしなくていいからということで、200円。いただいてきて、車はボンドでつけました。


大正から昭和にかけて全国各地の、5000種類以上を描いた、おもちゃ絵の画家、川崎巨泉(1877-1942)が遺した自筆写生画帳「人魚洞文庫」(大阪府立中之島図書館)にも、素敵な米つき車の絵が残されています。

日本は豊葦原瑞穂の国、お米は生きるのに最も大切なものですから、米つき車のおもちゃは、全国いたるところにあったそうです。

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