2013年8月4日日曜日

石皿


瀬戸の石皿です。
直径がほぼ一尺の石皿は、江戸時代から大正頃までつくられました。伊万里などと比べると安価な皿で、街道筋の茶屋などで、煮しめ皿として使われていたものです。


大きいので、窯に入れて焼く時は、たくさん窯詰めしないと、わりが合いません。
そのため、重ねる皿の糸敷きがくるあたりに円く石(焼き物の破片)を置き、何枚も重ねて焼いたので、石皿と呼ばれました。


底は釉薬を掛けていないので石はくっつかず、石の跡もついていません。


石皿のほとんどが無地で、釉薬の違いによって黄色っぽいものや灰色っぽいものがあるくらいですが、 これは珍しく模様が描いてある皿です。


石はくっついていなくて、取った跡があり、境目には釉薬が盛り上がっています。


この模様はミョウガと聞きましたが、あまりミョウガに見えません。


ミョウガだとしたら、花穂に花が咲いているところでしょうか。


石皿は、以前はそうめんを入れたりして、二人だけでも使っていましたが、最近はあまり使っていません。というのも、水屋の棚に同じくらいの大きさのお皿を七枚も重ねてしまっていて、しかも石皿は重いので、一番下にしまってあるので、なかなか取り出せないのです。

「今日は石皿を使いたいな」
と思うときでも、全部出すのが面倒で、ついつい一番上の二枚ほどを使ってしまいます。


しまい方を考えなくてはなりませんが、我が家の水屋は満杯で、石皿が簡単に出し入れできるように入れ替える見通しは、今のところ立っていません。
しかし、使ってこそのうつわですから、これからできるだけ使いたいと思います。

石皿はシンプルですが、料理を盛るとなかなか映えるうつわです。



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