2014年2月20日木曜日

バナナの葉の飾りもの

カンボジア人はボンが好きです。ボンとは、自分の心をより穏やかにする儀礼で、年中行事や法事もボンですが、ちょっと悪い夢を見たり、悪いことが重なったときには、すぐ僧侶を呼んで厄祓いのボンを取り行います。
ボンの最たるものは結婚式でしょうか。
いったい、そんなお金がどこから出てくるのか不思議なほど、ボンのためになら、湯水のようにお金を使います。


これは、元同僚のKの、厄祓いのボンのときの飾りものです。
カンボジアでは、ボンに僧侶を連れてくるのはアーチャンの役目です。アーチャンは在家の人ですが、白い衣装をつけ、僧侶と俗人をつなぐ役目をします。アーチャンはヒンドゥーの祭司のようなものですから、カンボジアではヒンドゥー文化の基盤の上に仏教文化が重なっている感じでしょうか。

ボンの飾りものは、そのアーチャンがつくりました。左はバナナの葉で、須弥山をあらわしていて、右の聖水を入れる器は、バナナの若い茎をボウルに立て、お線香で結界をつくっています。

Kはボンをした数日後、バイクで走っていて当て逃げされ、転倒したバイクの前に放り出されてしまいましたが、幸いすり傷だけで怪我はなく、バイクの損傷もランプ一つくらいですみました。
せっかくボンをしたのに、というより、ボンをしていたおかげで、大事故にならなかったということでしょう。


タイやラオスではブン、徳を積むことをタン・ブンと言います。
ボンもブンも語源は同じで、サンスクリットから来た言葉です。日本の、お盆の「盆」も、同じ語源と言われています。

タイのタン・ブンの飾りはこんな感じが一般的で、バナナの葉やジャスミンの花を使います。
もっともこの写真は、『THAI FORMS』からとったので、Kのようにあり合わせのプラスティックのお皿やガラスのコップを使わず、器に素敵なベンチャロン(金襴手五彩)焼きを使っています。


これも、タイのブンの飾りです。ずいぶん前に、本から写したもので、ちょっとさがしてみましたが、掲載されていた本が見つからず、 本の名前はわかりません。
まん中の柱はバナナの茎、それにココヤシの葉柄をつきさして、バナナの葉で飾っています。


これはバナナの茎に、たくさんの、櫛型に切って乾燥させたビンロウジュの実をぶら下げたものです。
バナナの葉も、ビンロウジュの実もおめでたいもの、結婚式にも、そしてボンやブンなどの儀礼には欠かせないものです。


より遊び心の感じられる飾りつけです。
バナナはどんなときでもところでも、清潔で新鮮な食料としてお腹を満たしてくれるだけでなく、花も食べられ、葉はいろいろなものを包むのに役立ち、お菓子など包んで焼けば防腐剤の役目もし、実が生ったあとの茎は豚や鶏のえさになり、生活を彩る飾りものにもなる優れものです。

ちなみにタイの結婚式は花嫁の家でとりおこなわれますが、葉がついたまま切ったバナナの茎を立ててつくった門のところで、花婿が入ろうとすると花嫁の家族が通せんぼして、いったい花嫁にどんなことをしてくれるのか、問答をします。
昔は哲学的な問答もあったと思いますが、今日の庶民の結婚式では、たいていはお金や、電気炊飯器やオートバイといった持参するものの交渉になっているのが、おかしいところですが。





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