2014年11月25日火曜日

穴あき杓子


東京に車で行くときは、渋滞に巻き込まれて遅れないよう早めに出ますが、たいていは早く着きすぎます。
そんなとき、時間つぶしのために立ち寄った雑貨屋さんで見つけた穴あき杓子です。

先日から穴あき杓子が一つ欲しいと思っていたのでちょうどよかったのです。


ヴェトナム製でしょうか。アルミの品質にムラガあり、持ち手と杓子の部分の材質も、純度が心なしか違うようです。

その昔、ヴェトナムでは戦争で撃ち落としたアメリカの飛行機のジュラルミンを再利用したスプーンや杓子が大量に出回り、市場で売られていました。家にもたくさんあったのですが、霧散してしまいました。
ジュラルミンはアルミの合金です。


純アルミの融点は630度、ジュラルミンは650度と低いので、町工場でも加工することができたのでしょう。
1990年代にはまだ、山の中に落ちている兵器の破片の鉄やジュラルミンをさがして再利用している人たちがたくさんいました。

ヴェトナム戦争終結から、来年で40年になりますが、まだあのときのジュラルミンが残っているのでしょうか?


引っかけるところの曲がり具合、金属の切り具合、どれも気に入りました。


買って帰って来てから思い出しました。
インドで買ったステンレスの穴杓子を持っていたのです。もっともこれは炒めものをするときに使っていて、穴杓子が欲しい時にも思い出さないほどなので、もう一つ穴あき杓子があってもいいのです。


しかし、どちらも薄くできています。
この薄さが、お鍋の底に残ったものをすくうとき、歯がゆい思いをしないですむ特徴なのですが、日本の穴杓子はなぜか丸みのついたものばかりです。


もともと、丸みのついたココヤシの杓子があったはずのインドやヴェトナムの杓子が平らで、ココヤシのなかったはずの日本の金属の穴あき杓子は深さがあり過ぎるのはどういうわけでしょう?
ただの杓子だったら味噌汁をよそうためと言えますが、穴あきの場合は、お玉杓子に何も考えずに穴を開けただけとしか思えません。





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