2015年5月5日火曜日

カランコ

しばらく前に息子から問い合わせがありました。
「小さいころ、僕が遊んだ織り機はある?」
「カランコ」というおもちゃの織り機があることはあるのですが、ご近所の小さな女の子に数年前に貸してあげていました。聞いてみると、その女の子は大きくなって、もう織り機は使っていないとのこと、さっそく返していただきました。
「送ろうか?」
「いい。連休にそっちへ行くから」


織りものは、経糸(たていと)を、織り機に掛ける(整経、せいけい)がたいへんです。
出来合いの糸を使ってもたいへんですから、糸からつくるとなると長い時間がかかり、整経が終わって織り機の前に座って、もう織るばかりになると、99%はでき上がったようなものです。

さて、孫のはなちゃんたちが用意してきた糸は白と濃い青の二色です。
たっぷり持って来て、ランチョンマットを織りたいというので、経糸はわりと長くとりました。
整経は、経糸一本につき、綜絖(そうこう)二枚と筬(おさ)の小さな穴や隙間を順序よく通さなくてはならず、五歳のはなちゃんには無理なので、もっぱら、その母や祖母が手伝います。

ところが長い間やっていないのですっかり忘れていて、半分ほど結んだとき、糸は織り機の手前ではなく奥に結ばなくてはいけないのに、手前に結んでいたことに気づきました。
それをやりなおしたりして、いつ整経が終わるかと思いましたが、なんとかできました。


はなちゃんの出番です。
板杼(いたび)に巻いた緯糸(よこいと)を、かわりばんこに上下になっている経糸の間を通し、十分な余裕を持たせておいて、筬(おさ)で打って締め、綜絖を上下反対にして、もう一度筬で締める動作の繰り返しです。
板杼は見えなかったので、即席でつくりました。


ところどころに、濃紺の緯糸もはさみます。


五歳児はすぐ飽きるかと思ったのに、全然飽きません。


経糸が張れるまで、はなちゃんはリリアンを編んでいたのですが、あまりおもしろくなさそう、全然続かなかったので、織りものもどうかなと危ぶんでいたのですが、ずっと集中しっぱなしです。


ランチョンマットは、あっという間に一枚織りあがりました。
房にする分を少し空けて、二枚目に取りかかったところで時間切れ、梱包して、はなちゃんの家に送りました。



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